乳児から楽しめる食育活動~口腔機能の発達と他園の取り組み事例を踏まえて~

 
コドモンカレッジでは、オンライン研修「乳児から楽しめる食育活動~口腔機能の発達と他園の取り組み事例を踏まえて~」を開催いたしました。 

東洋大学 非常勤講師 管理栄養士 太田 百合子先生に、子どもの口腔機能の発達を意識した援助の仕方や取り組みの事例についてお話しいただきました。

本ページでは、研修参加者から挙がった太田先生への質問とその回答をご覧いただけます。

Q&A


太田先生に、参加された方からの質問へご回答いただきました。

給食時間になると落ち着きがなくなり、椅子に座って給食を食べられない子どもに対してのかかわり方について教えてください。

小さな子どもになぜ給食のときだけ落ち着きがなくなるのかと聴いてもうまく答えられませんから、直接関わる先生方が子どもの行動や表情をよく見て対応を考えていきます。
思い当たることが見つからなければ、保育士や調理員、栄養士といった多職種でミーティングしてもよいかもしれません。食育は、多職種で考えるからこそ、よいアイディアや関わり方が見えてくることが多いものです。

たとえば、子どもにとって嫌な言葉がけではなかったか、無理強いしていなかったか、椅子の座り心地やテーブルの高さ、食具や皿などが使いやすいか、騒がしい場が苦手なのか、苦手な食べ物が多いのか、調理方法が苦手なのか、お腹が空いていないのか等、よく観察すると見えてくることもあります。食環境を工夫して、子どもの様子に変化がみられるかどうかを振り返りながら確認していきましょう。
食事時間は、子どもが楽しく食べられる土台作りがあってこそ集中して食べることができるかもしれません。

本物の食材ではなくて本物に近いレプリカの食材でも食育になるのでしょうか?

栽培、収穫、調理、給食の下ごしらえのお手伝い等は、五感が自然と刺激されるので重要とされており、実際の食材に触れることは、食べる意欲につながると実感することが多いと思います。食材に触れたり(手づかみ食べ)、匂いを嗅いだり、なめてみたりできる離乳食でさえも本物の食材を感じることができます。

このような実体験を軸に、たとえば、芋ほり遠足として手作りの製作物で遊びながら体験できれば、それも立派な食育です。楽しい遊びをとおして食材を知ることで、食べる意欲につながります。
「今日の給食は肉かな?魚かな?」「何が入っているかな。食べたときに教えてね」「味噌汁のいい匂いだね」などと関われば毎日の給食やおやつで本物の食材を感じることができます。
あるいは、絵本「おおきなかぶ」を読んだ後に、給食でかぶの料理が出てくれば、関連付けて思わずパクッと食べるかもしれません。生の魚に触れさせることが難しければ、魚の解体ができる媒体を作って食育につなげることもできます。

あえて本物の食材を使わなければならないと思う必要もありません。子どもが興味を持ったときに、給食と結びつけた遊びを考えてあげるとよいのではないかと思います。

発達段階にあわせたスプーンの持ち方には、手のひら持ちから手指握り、鉛筆持ちという順番があるなか、2歳児の子どもに『下手持ち』をするように教育をしていたことがありました。このような持ち方は教育としてはどう思いますか?

教育とは、その行為が子どもの食べる意欲につなげることができているかどうかだと思います。

手指握りの下手持ち、上手持ちは指先・手首の発達から箸使いに移行する際、研究報告によっては影響がないともいわれています。子どもが食べ物に挑みながら工夫していくと思いますので、自由に使わせてよいかもしれません。本当かどうかは、実際の保育の中でその手指握りが鉛筆持ちにつながっているかどうかを見ていきましょう。子どもを中長期的に観察して振り返り、次に活かしていくことが大切です。

あるいは、大人も下手持ちで食べて検証してみましょう。食べ物により、使いやすいもの、使いにくいものがあるかもしれません。
現場は、いろいろな子どもたちを見る機会があるからこそ、どのような教育が必要かどうかは、みんなで議論してチーム全員が同じ方向を向くことだと思います。

研修の中で 「限られた時間の中で、無理強いせずに見守る」という内容がありましたが、大体の時間の目安がありましたら教えてください。

おそらく毎日子どもたちに接していると、食事時間にはそれぞれ違いがあることを感じていらっしゃると思います。平均的な時間に合わせるのではなく、一人ひとりの食べ方に合わせることが大切です。近年、園では一斉に食事をとるのではなく、お腹が空いたときに自発的に食事(ランチタイムを長くしていつ食べ始めてもよい)にすると集中して食べることが報告されています。家庭の状況を見ても、保護者の仕事状況により、早朝に食べてくる子と登園ギリギリに食べてくる子では空腹感に差もあります。

はやく食べられない子を急かすと誤嚥・窒息事故につながる可能性があります。集中して食べないことで時間がかかるときは、集中できるように声がけ等を試みて、それでも食べたがらずに時間がかかるようなら「ごちそうさま」にします。噛む力が弱い子には、手元でつぶしたり水分を含ませたりすれば時間内に食べ終えることができるかもしれません。完食を目指すと時間超過につながりやすく、子どもにとっても楽しい経験につながらないと思われます。

乳幼児期は、ゆっくり噛んで味わい、噛む力をつけていく時期ですから、十分な時間をかけた給食時間にすることです。


見逃し配信のご案内


「乳児から楽しめる食育活動~口腔機能の発達と他園の取り組み事例を踏まえて~」は、見逃し配信でご視聴いただけます。

研修では、口腔機能の発達段階とその見極めポイント、食べる意欲を伸ばす援助ついて解説いただいています。

動画視聴する>https://webinar.codmon.com/vod/234

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今後もさまざまな研修を予定しております。
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コドモンカレッジについて


コドモンカレッジでは、現場で働く保育者の資質や専門性向上を目的とした保育研修を配信しており、累10,000以上の保育施設でご利用いただいております。(2024年3月時点)

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