乳幼児期の口の中の発達のヒミツ ~噛む・飲み込む・歯磨きを発達面から支える~


コドモンカレッジでは、オンライン研修「乳幼児期の口の中の発達のヒミツ ~噛む・飲み込む・歯磨きを発達面から支える~」を開催いたしました。
鶴見大学 歯学部 小児歯科学講座 教授 朝田 芳信先生と鶴見大学 歯学部 小児歯科学講座 助教 小林 冴子先生に、乳幼児期の噛む力や唾液の発達、虫歯の予防や離乳食の進め方など、保育現場で行える具体的な支援についてお話しいただきました。

本ページでは、研修参加者から挙がった朝田先生、小林先生への質問とその回答をご紹介します。
 

Q&A

子どもの噛む力を引き出すためにできる具体的な援助を教えてください。

子どもたちは常に試行錯誤の中で、今まさに「噛むこと」や「飲み込むこと」を練習しています。やわらかいものだと飲み込み食べになりやすいので、自然な咀嚼を引き出すためにも、少し硬いものや食感のあるものを取り入れていく必要があります。(煮物より炒め物、ひき肉より塊肉など)

その上で、以下の環境づくりが大切かと思います。
1 食事に集中できているか
2 適切な椅子・机・食具の設定
3 前向きな声掛け等

「よく噛むとおいしいね」「たくさん噛めているね」などの肯定的な言葉が、子どもにとって一番の支えになると期待しています。
中には歯列不正や齲蝕(うしょく)が原因となり噛みづらい場合もあるので、心配なケースでは歯医者受診をすすめてください。

偏食の子どもにはどのように働きかけたらよいでしょうか。

「偏食」は多くの養育者・保育者を悩ます問題であろうと思います。しかし、子どもたちの「味覚」もまた発達の途上にあり、大人とは感じ方が違っています。
たとえば味のセンサーである舌の上の味蕾(みらい)は、小児は成人の3倍あると言われ、苦味や酸味に対し非常に敏感です。それゆえ、小児期の「好き嫌い」は大小、誰もがあるものです。
苦手食物の克服の鍵は「食経験」です。誰と、どこで、どんな風に食べるかによって、食経験は育まれます。まずは、根気よく機会を与えることが大切です。接触回数が増えると心理学の単純接触効果によって嫌悪度合いがうすれます。お子さんが食べることができないうちは、まわりの人がおいしそうに食べている姿を見せるだけでも効果的です。また、著しい「偏食」の場合、栄養や発育指導を含め、小児科の受診をすすめてください。

咀嚼が脳の働きのどこに関係し、何を発育させていくのかについて、具体的に教えてください。

口の中は髪の毛が一本紛れ込んだだけでもわかるほど鋭敏な感覚をもっています。咀嚼をすることで、脳に多くの情報が送られ、脳の感覚系と運動系の間でさまざまな情報が飛び交い、同時に脳のあらゆる部位*を活性化させています。よく噛んで食事をすると、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚という五感の情報が脳に送られ、記憶・認知能力の向上、ストレス低下、幸福感の増加などの効果があることはよく知られています。

*大脳皮質(脳の表面部分)の感覚野、運動野、補足運動野のほか、弁蓋部、島、小脳、視床など

哺乳瓶齲蝕(うしょく)とは、夜間にミルクを飲むことですか?
もしくはミルク以外の糖質(果汁?)のことですか?

哺乳瓶齲蝕とは「不適切な哺乳瓶の使用による齲蝕」と捉えてください。具体的には、卒乳時期を過ぎての使用や、母乳や人工乳以外の糖分を含む飲料を哺乳瓶で長期的に摂取すること、などが挙げられます。なお、夜間授乳の延長で発生する齲蝕リスクについては、歯磨きやフッ化物での予防を含めて歯医者で相談するようにしましょう。

口腔機能や食行動に問題がある子どもがいる場合は、どこに相談したらよいでしょうか。

まずはかかりつけ医やかかりつけ歯科医での相談がよいかと思いますが、口腔内をより専門的に見たほうがよい場合は「小児歯科専門医」がいる歯科医院の受診をおすすめします。各地域の小児歯科専門医は日本小児歯科学会ホームページでも検索可能です。

見逃し配信のご案内


「乳幼児期の口の中の発達のヒミツ ~噛む・飲み込む・歯磨きを発達面から支える~」の研修動画は、見逃し配信でご視聴いただけます。

乳幼児期の噛む力や唾液の発達、虫歯の予防や離乳食の進め方など、保育現場で行える具体的な支援について解説していますのでぜひご視聴ください。

動画を視聴する>https://webinar.codmon.com/vod/260

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