「丁寧に保育する」ってどういうこと? ②~噛みつき・ひっかき・叩くは子ども理解を深めるチャンス〜


コドモンカレッジでは、オンライン研修『「丁寧に保育する」ってどういうこと? ②~噛みつき・ひっかき・叩くは子ども理解を深めるチャンス〜』を開催いたしました。
 NPO法人こども発達実践協議会 代表理事の河合清美先生に、噛みつきなどの行動を「困った」で終わらせるのではなく、その背景にある子どもの気持ちや発達段階を理解するためのアセスメント方法についてお話しいただきました。



本ページでは、研修参加者から挙がった河合先生への質問とその回答をご紹介します。

Q&A

河合先生が園のケガ件数データを集計し、入園時や新年度に、年間の子どもたちの発達の目安の見通しと共に保護者に配布していると伺いました。
このケガとは、どのようなものが含まれていますか?自分自身が原因のケガなのか、それともお友達との関わりで発生したケガも含まれるのでしょうか?

ケガの種類は以下のように分類しています。
・転倒
・衝突
・擦り傷(散歩の探索中など)
・噛みつき
・ひっかき
・その他

自分自身が原因のケガと、友達との関わりで発生したケガの両方を含んでいます。
今回は「噛みつき・ひっかき」が題材でしたので、自分が原因の怪我には触れませんでしたが、たとえば3歳児・4歳児の場合、10月・11月になると自分が原因のケガが多くなります。夏を超えて、一人ひとりが自信をつけ、チャレンジを始める頃に、自信が過信となりケガに繋がることが多いです。
たとえば、「高い所から飛び降りてみる」といったチャレンジの結果、転倒するなどのケガが増えます。このような時期には、子どもの小さな挑戦を見逃さずに見守ることが大切です。保護者の方には「ちょっとヒヤヒヤしますが、挑戦を見守っています。」と、子どもの成長をあらかじめ共有しておくと、実際にケガをしたときでも「そのうちやるだろうと思っていました」と、落ち着いて受け止めていただけることが多いです。

また、走り回ることによる衝突が多いクラスがあった場合は、「走る・止まる」などの身体のコントロールが苦手な子が多いのかもしれない、とアセスメントします。そういったケースでは、遊びに「だるまさんがころんだ」を取り入れたこともあります。遊びを通じて楽しみながら苦手な動きを経験できたことで、「ぶつかる前に止まれる」ようになり、衝突によるケガが減りました。
ケガを個別の「点」で終わらせずに、「線」や「面」としてつなげて見る。対処ではない対応が見えたときに「保育っておもしろいな」と思います。

子ども同士のトラブルでケンカになった際に、一方がケンカをやめたいと言い、もう一方が納得できずに続けたがる場合、どのように対応すればよいでしょうか?

事例では1歳児でしたので、比較的すぐにケンカはおさまりましたが、年齢が上がる(3歳・4歳・5歳)になると納得がいかない場合も出てきますね。
ケンカをやめたくないという気持ちが言葉にでているときは、まずは「そうだね。まだ納得がいかないんだね」と気持ちを受け止めます。
実際に、昨年度の年長児クラスで同じようなケンカがありました。
「まだ怒っているみたいだけど、それはどんなこと?」と尋ねたら
「だって、Aくんが“ごめんね”って言ってないから」と答えが返ってきました。
そこで、Aくんに対して「“ごめんね”って言っていないから、まだ怒っているみたいだね」とリマインドする形で伝えると、Aくんが「ごめんね」と言い、落ち着きました。

このように、大事なのは「納得感」です。

私が年長児クラスの担任していたとき、仲良しのCくんとDくんが大げんかしたことがありました。
2人は、「絶対に仲直りしない!」と言っていましたが、しばらく見守っていたところ、
30分後には自然とまた仲良く遊んでいました。「絶対に仲直りしないんじゃなかったの?」と聞くと、
「俺らは、”ごめんね”って言わなくても仲直りできるんだ!」と答えてくれました。

成長すれば、子どもたちは過去の出来事を引きずることが増え、気持ちの整理には時間がかかるようになります。ですので、「気持ちの解決には時間が必要」という心構えをもつことで、慌てずに対応できると思います。また、小学校に行ったら友達同士でいろいろなことを解決していく必要があります。言葉で伝え合えるようになったら、互いの気持ちを伝えたり、ときにぶつけ合ったりする経験の一つひとつを大事にしていきたいですね。

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『「丁寧に保育する」ってどういうこと? ②~噛みつき・ひっかき・叩くは子ども理解を深めるチャンス〜』は、見逃し配信でご視聴いただけます。

噛みつきなどの行動を「困った」で終わらせるのではなく、その背景にある子どもの気持ちや発達段階を理解するためのアセスメント方法について解説いただいています。

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