夏季の活動での安全管理 ~事例から学ぶ安全な環境作り~

 
「くう・ねる・みずあそび」
これは、子どもの傷害予防に取り組んでいるNPO法人「Safe Kids Japan」の理事長で小児科医の山中 龍宏先生が、保育において危険のある場面として注意を呼びかけているフレーズです。
保育中の死亡事故の約7割が「ねる(睡眠中)」に起きています。その次に多いのが「くう(食事中)」、プールなどでの「みずあそび(水遊び中)」に起きていることからきています。
 
実際に2012年には、幼稚園のお泊り保育に参加した5歳の男の子が、川遊び中に急に増えた川の水に流されて亡くなった痛ましい事故も起きています。いままでなにもなかったからという理由で、下見や天気予報の確認、ライフジャケットの装着などの対策がされていませんでした。
 
水遊びのほかにも、夏季には熱中症や遊具でのやけどの危険も潜んでいます。
2005年には、埼玉県にある保育所で、4歳の男の子がかくれんぼの際に廊下にある本棚の引き出しに入り込み、誰にも気づかれずに熱中症による心肺停止で亡くなった事故も起きています。
 
とはいえ、ケガや事故を発生させないためにと、子どもの旺盛な好奇心をおさえつけ、活動を制限することもできません。さまざまな対策をしていても、子どもたちの成長に必要な活動を支援するうえで、一切ケガや事故を発生させないことは現実的に難しいでしょう。けれど、重篤な事故にならないように環境を整えることはできます。
外遊びをするならば、下見や事前準備。園内では適切な見守りや人数は空くなど、事故を防ぐためにできること、しておくべきことがあります。
 
令和3年6月に内閣府により公表された資料によると、令和2年1月1日~令和2年12月31日までの報告件数は2,015件(対前年+271)、そのうち死亡の報告は5件(対前年▲1)。
保育士一人ひとり、保育園一つひとつの取り組みの積み重ねにより、この死亡報告を0にしていくことが求められています。
 
コドモンカレッジでは、保育活動での安全管理をテーマにオンライン研修「夏季の活動での安全管理〜事例から学ぶ安全な環境作り〜」を開催いたしました。
 
保育事故などについて研究されている一般社団法人 子ども安全計画研究所 代表理事 猪熊 弘子先生が、水遊びに限らず夏季の遊びで発生する事故についてお話しいたしました。
夏季の活動がはじまる前に、いま一度、安全管理についてふり返ってみませんか?
夏季の活動の安全管理についてさらに詳しく知りたい方は、コドモンカレッジの見逃し配信より研修動画をご視聴ください。
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今後もさまざまな研修を予定しております。
直近のライブ研修一覧はこちら> https://college.codmon.com/seminar/
 
出典:「令和2年教育・保育施設等における事故報告集計」の公表について/内閣府
 

講師紹介

 
一般社団法人  子ども安全計画研究所 代表理事  猪熊 弘子  氏
 
1965年横浜市生まれ、5歳から栃木市で育つ。ジャーナリスト、名寄市立大学(北海道)特命教授、城西国際大学特命連携教授。明福寺ルンビニー学園幼稚園・ルンビニー保育園(東京都江戸川区)副園長。日本女子大学文学部英文学科卒業、お茶の水女子大学大学院博士後期課程修了。お茶の水女子大学大学院 博士後期課程(保育児童学領域)在籍中。埼玉県上尾市の公立保育所内で4歳男児が亡くなった事件について記したルポルタージュ『死を招いた保育』(ひとなる書房)で、第49回日本保育学会 日私幼賞・保育学文献賞受賞(2011)。著書多数。
 
近著に『子どもがすくすく育つ幼稚園・保育園』(寺町東子弁護士との共著、内外出版)。『重大事故を防ぐ園づくり〜研修・実践・トレーニング』(共著・ひとなる書房)。ほかに、『「子育て」という政治〜少子化なのになぜ待機児童が生まれるのか?』(角川新書)、『子どもを守る防災BOOK』(学研)、共著に『貧困と保育』(かもがわ出版)、『保育園を呼ぶ声が聞こえる』(太田出版)などがある。
 

コドモンカレッジについて

 
コドモンカレッジでは、現場で働く保育者の資質や専門性向上を目的とした保育研修を毎月定期開催しており、累計5,000名以上の方にご視聴いただいております。(2023年1月時点)
 
当日ご参加いただけない方でも、オンライン研修の見逃し配信や、いつでも好きな時間に学べる研修動画も公開しております。
https://college.codmon.com/

    
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