子ども理解からはじめる発達支援~保育の現場での対応を知ろう~

保育を行うなかで子どもの行動を見守っていると、なかには「ちょっと気になる」行動をする子がいることでしょう。

その「気になる行動」には、感覚による情報をうまく処理できないという理由が隠れていることがあります。

コドモンカレッジでは、作業療法士であり、なおかつ保育の現場でその支援を集団の遊びに応用する活動をされている藍野大学 高畑脩平先生の「子ども理解からはじめる発達支援~乳幼児の感覚統合遊び~」という研修を実施いたしました。

本ページでは、研修参加者からの高畑先生への質問と、その回答をご覧いただけます。

Q&A


研修に参加した保育者からの、「保育の現場でどのように対応したらいいのか」という質問について、高畑脩平先生にお答えいただきました。

Q

小さな頃は苦手な辛味や酸味を大人になれば好むようになるように、成長とともに過敏/鈍感さが落ち着くこともあるかと思います。
こういう子なんだなという理解のもと、無理を強いたりはせず、園でできる支援をして見守っていくのが基本の対応ということでしょうか?

A

「見守ることが基本の対応」というわけではありません。理解に基づき、遊びや環境設定を通して積極的に支援できた方がベターです。
大きく分けると、感覚の鈍感さに対しては、感覚を豊富に取り込めるような遊びを通して積極的に介入できた方が良いかと思います。

感覚過敏に関しては、無理強いさせられない安心感のもと、受け入れられる幅を広げていくことが大切になってきます。
研修では、その辺りの前提にある「まずは子ども理解を」ということで留まった内容となっておりました。機会があれば映像や画像も含めて、ご紹介できる機会があればと思います。

Q

ケースごとの支援方法については、見逃し配信の資料にも細かく記載いただいています。こうした支援を集団のなかで行うにあたって配慮すべき点、注意点を教えてください。

A

インクルーシブ教育、合理的配慮といったテーマの核となる話かと思いますので、そちらの資料をご参照いただける方が確かかと思います。

集団となると、個々で特性があまりにも違うことを前提に、「みんな一緒に」ということは難しいこともあるかと思います。集団遊びに関しても、「入れない」のではなく、「入れる役割」「入れる部分」といった多様な方法で参加できてれば良いというスタンスが大切です。

他のお子さんに関しても、「みんな得意・不得意がある」ということを周知の事実として「それぞれにサポートが必要な場合がある」ということを理解してもらい、全員が当事者意識を持てるよう働きかけていただくと良いかと思います。

Q

療育など専門家への支援を求めたほうがよい例(ケース)があれば教えてください。
また、園から保護者または専門家へ園での様子を伝える際に、おさえておきたいポイントはありますか?(たとえば「行動」とそのときの「状況」を必ず揃えて記しておく…など)

A

基本的には集団の中で過ごしてほしいと思っています。
理想的には、専門家も園にやってきて、園の生活場面でできる支援があると良いですね。

作業療法の立場では、障害があろうとなかろうと、園生活を楽しめていたならば療育へ行く必要はないと思います。(楽しいことが発達における最良のエッセンスと考えているため)
一方で、園が怖い、参加できないなどがあると、一時的にも個別で支援をした方が良い場合もあるかと思います。

また伝達の際には、具体的なエピソードが大切です。
「できないエピソード」だけではなく「お子さんが輝いてる場面」も共有できると、「こんな条件が揃えば上手くいけるんだ」ということを分析できます。

集団遊びや設定についてより詳しく学びたい場合は、下記研修のほか高畑先生のご著作『子ども理解からはじめる感覚統合遊び 保育者と作業療法士のコラボレーション』(クリエイツかもがわ)もおすすめです。ぜひご参照ください。

見逃し配信のご案内


高畑脩平先生の研修は、コドモンカレッジにて見逃し配信でご視聴いただけます。

見逃し配信>「子ども理解からはじめる発達支援~乳幼児の感覚統合遊び~

今後もさまざまな研修を予定しております。
直近のライブ研修一覧はこちら>https://college.codmon.com/seminar/

コドモンカレッジについて


コドモンカレッジでは、現場で働く保育者の資質や専門性向上を目的とした保育研修を毎月定期開催しており、累計5,000名以上の方にご視聴いただいております。(2023年1月時点)

当日ご参加いただけない方でも、オンライン研修の見逃し配信や、いつでも好きな時間に学べる研修動画も公開しております。
https://college.codmon.com/

    
« ».