乳幼児期の性教育〜性教育の必要性と実践事例〜

コドモンカレッジでは、オンライン研修「乳幼児期の性教育〜性教育の必要性と実践事例〜」を開催いたしました。
和光幼稚園/小学校 校園長の北山ひと美先生に、日本と海外の性教育についてや、乳幼児期から始める性教育の実践例などについてお話しいただきました。
本ページでは、研修中にお話があった「乳幼児の性教育で大切にしたいこと」についてや、研修参加者から北山先生への質問とその回答をご覧いただけます。
乳幼児の性に関する行動の対応策にお困りの方や、乳幼児期から始める性教育にご関心のある方は、ぜひ参考にしてください。

Q&A
北山先生に、保育者の方からの質問へご回答いただきました。
Q
園内で子どもが性器を触っている場面に遭遇した際の、園内での保育者同士での共有の仕方やコツはありますか?
A
性器タッチについて、保育者がネガティブなイメージを持たないようにすることが大切です。
そのうえで、子どもたちの生活状況について情報共有をするとき、「指しゃぶりをしている」などの状況と同じように共有し、性器タッチをしている場面を見たときの対応の仕方を学びあうことが大切だと思います。
Q
上のQの場合の具体的な子どもへの対応方法(声かけするときの内容や言葉選び)を教えてください。
A
性器を触る、性器タッチについては、自分のからだの心地よさがわかって触っている場合もあれば、性器に炎症があるなど病院に行く必要がある場合があります。
いずれにしても子どもには「自分のからだ、特に性器は自分だけが見たり触ったりしてもいいところだから、触ってもいいけれど、他の人に見えないところで触ろうね」という声がけがいいでしょう。
性器の炎症などの可能性もあり、家庭での様子を共有するうえでも、保護者に伝え、いっしょに対応を考えることが大切です。
Q
ほかの子どもの性器を触ろうとする、トイレを覗こうとする子どもがいた場合の声かけや対応方法について教えてください。
A
このような場合、プライベートパーツについての学びをするチャンスです。
「プライベートパーツは自分だけが見たり触ったりしていいところ」ということを伝えると、他の子どもの性器を触ろうとする、トイレを覗こうとすることはいけないこと、ということがわかります。
Q
保護者に共有したほうがいい場合と、園で見守った方がいい場合の線引きはありますか? また、保護者へ共有する際のアドバイスがあれば教えてください。
A
園での子どもの状況、他の子どもたちとの関係など、いいことだけではなくトラブルも含めて保護者と共有しておくことが、園への信頼につながります。
保護者へ共有するときは、その出来事をどう見るかをきちんと伝えることがとても重要です。「困りごと」「トラブル」としてネガティブにとらえて伝えると、保護者もそのように感じてしまいます。子どもの成長の一つの段階としてとらえ、その後の見通しまで伝えていくことができればいいですね。
これは、性にまつわることだけではなく、子どもの生活全体を発達の中で見守り育てていくというスタンスで保護者と一緒に考えていくということです。そのためにも、 「からだの権利」「幼児期の性」などを保育者が学んでいくことが大切だと思います。
見逃し配信のご案内
オンライン研修「乳幼児期の性教育〜性教育の必要性と実践事例〜」は、コドモンカレッジにて見逃し配信でご視聴いただけます。
研修では、日本と海外の性教育についてや、乳幼児期から始める性教育の実践例などについてより詳しく解説されています。(下記、一部抜粋)
子どもたちはみな、生まれたときから「からだ」や「性」と付き合っていくことになります。家庭や保育園で性に関わることを学び、刷り込まれていくのです。
しかし、日本はしばしば「性教育後進国、性産業先進国」といわれています。では、乳幼児から性教育を始めるときは、どのようなことを重視すればよいのでしょうか。

【乳幼児の性教育で大切にしたいこと】
1、プライベートパーツと“からだ観”
からだの主人公は自分自身。断りなく見られたり触られたりしないものであることを知る。
2、「いいタッチ」と「だめなタッチ」を考える
同意のある気持ちいいタッチと、同意のないいやなタッチについて考える。
「何か変」という感覚は、だめなタッチであることを知る。
3、「からだの権利」を学ぶ
すべての人が持つ「からだの権利」について、6つの柱をもとに学ぶ。
4、相手を尊重する力
相手のパーソナルスペースやバウンダリー(境界)、「からだの権利」を尊重するために求められる力を養う。
こちらの詳細は、当研修の見逃し配信でご確認いただけます。
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今後もさまざまな研修を予定しております。
直近のライブ研修一覧はこちら> https://college.codmon.com/seminar/
コドモンカレッジについて
コドモンカレッジでは、現場で働く保育者の資質や専門性向上を目的とした保育研修を毎月定期開催しており、累計5,000名以上の方にご視聴いただいております。(2023年1月時点)
当日ご参加いただけない方でも、オンライン研修の見逃し配信や、いつでも好きな時間に学べる研修動画も公開しております。
https://college.codmon.com/