働きやすい環境づくり〜男性保育士の視点から〜

コドモンカレッジでは、オンライン研修「働きやすい環境づくり〜男性保育士の視点から〜」を開催いたしました。
大阪教育大学健康安全教育系教育学部 教授/大阪教育大学附属天王寺小学校長の小崎恭弘先生をお迎えし、近年徐々に増加傾向にある男性保育士について、12年間男性保育士として勤務されたご自身の経験談も交えながらお話しいただきました。
本ページでは、研修中にお話があった「”男性”という人的環境が子どもに与える影響」についてや、研修参加者から挙がった小崎先生への質問とその回答をご覧いただけます。
男性保育士を採用したいまたは既に採用している施設の方や、ご自身が男性保育士としてご活躍されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

Q&A
研修参加者から挙がった質問に、小崎先生にご回答いただきました。
Q
職員に対して「男性保育士を知る機会」を作るべく、話し合いの時間を取ろうと思うのですが、初めての場合はどのようなテーマ設定をするとよいでしょうか。
A
とても素晴らしいことだと思います。幾つかテーマの提案です。
・保育における男女の違い(こども・保育士)はどのような場面であるのか?
・保育指針における以下の内容について検討をする。
「子どもの性差や個人差にも留意しつつ、性別などによる固定的な意識を植え付けることがないようにすること。」
・男性保育士の役割や期待することとは何か?それはなぜか?
・社会全体の男女の役割や子育てについての現状について話し合う
もちろんこれは、男性保育士のみだけではなく、広く保育士やスタッフにも考えていただきたい内容です。
Q
離職率を減らすため、園でできる改善策はありますか。
また、その改善策において男女で違いはありますか。
A
基本的に男女の違いはないと思います。ただし個人差の違いは大きいと感じています。
また、男性自身が「一家の大黒柱」「男性が稼いで食わせてやる」などの価値観をお持ちであれば、なかなか給与の面だけでは厳しいと思います。少なくなってきてはいると思いますが、夫婦やパートナーとどのような生き方や働き方をするのかをしっかり考えて保育の仕事を捉える必要があると思います。
離職率については、他業種でも大きな問題となっていますが、特に保育は職場の人間関係が密であること、そして理念ベースの業務であることは、継続に大きく関わってくると思います。
Q
男性保育士は、どのように女子児童へ対応するのがベストなのでしょうか。
(例:膝の上に乗る、背中に飛びつく場合など)
A
前提として、保育にベストはありません。
上記の例のようなことはもちろんありますが、それを特別視する必要はありません。一番大事なのは保護者との信頼関係です。これは、男女関係なく同じです。
知らない人が自分の子どもに何かするという恐怖や不安は、偏見が根源となっています。そしてその偏見は、無知からくると考えています。だから、普段から保護者へきちんと説明するなどのコミュニケーションをとり、「この先生なら大丈夫」と思ってもらわなければなりません。
見逃し配信のご案内
オンライン研修「働きやすい環境づくり〜男性保育士の視点から〜」は、コドモンカレッジにて見逃し配信でご視聴いただけます。
以下、研修内容を一部抜粋したものです。
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以前は「保母」と呼ばれていた、保育士の仕事。男性に「保母」資格が認められたのは、1977年のことです。(それ以前は、男性が保母資格を取得すること自体が認められていませんでした。)
近年は徐々に男性保育士も増加傾向にありますが、そもそも子ども施設に「男性保育士」が必要な理由には、どのようなことがあるのでしょうか。

【 “男性”という人的環境が子どもに与える影響 】
・社会には「男性」や「女性」など性の存在があると気づくことができる
・人的な多様性を知ることができる
「人的な多様性」の例:性差、年齢、キャラクター、価値観、特技、身体的能力など
・男性が育児をすることが少ない/できない社会状況の中で、子どもが男性というモデルと接することができる など
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研修では上記の内容の他にもたくさんのトピックスについてお話しいただいております。
・男性保育士が増えない本当の理由
・配慮すべきこと(保育者サイド/管理者サイド)
・男性保育士はこれからどう行動すべきなのか など
参加者のみなさまからは、「改めて、男性保育士について保育園内で働きやすい環境を考える必要があると感じた」や、「まさに男性保育士視点という内容で、とても共感できた」とご感想をいただきました。
こちらの研修は、見逃し配信でご確認いただけます。
▶コドモンにログインし、動画を視聴する
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▶ログインにあたってのよくあるご質問
今後もさまざまな研修を予定しております。
直近のライブ研修一覧はこちら> https://college.codmon.com/seminar/
コドモンカレッジについて
コドモンカレッジでは、現場で働く保育者の資質や専門性向上を目的とした保育研修を毎月定期開催しており、累計5,000名以上の方にご視聴いただいております。(2023年1月時点)
当日ご参加いただけない方でも、オンライン研修の見逃し配信や、いつでも好きな時間に学べる研修動画も公開しております。
https://college.codmon.com/