こども主体の保育環境の考え方とは

 
コドモンカレッジでは、保育実践をテーマにオンライン研修「こども主体の保育環境の考え方とは」を開催いたしました。

お茶の水女子大学 アカデミック・プロダクション特任教授 宮里 暁美先生に、「人的環境」「物的環境」「自然・社会環境」という3つの環境別に<こどもが主体的に活動できる保育環境>と、その保育環境を活かした保育者のかかわり方についてお話しいただきました。

本ページでは、研修参加者から挙がった宮里先生への質問とその回答をご覧いただけます。


Q&A


宮里先生に、参加された方からの質問へご回答いただきました。

Q

「主体」の意味を「自発」「自由」「自主」と混同して考えている職員が多いですが、「主体」の意味を教えてください。

A


それぞれの意味を調べると以下のようになります。

 自発:外からの働きかけを受けてするのではなく、自然に行われること。
    また、自分から進んですること。
 自由:自分の意のままに振る舞うことができること。また、そのさま。
 自主:他からの干渉や保護を受けず、独立して事を行うこと。

このようにみていくと、どれも「主体」というあり方の関連語のように思えます。
自分にとって理解しやすい言葉に置き換えて理解することは、それほど悪いことのようにも思えません。
「大事なことは何か?」という発想で、それぞれの職員の言葉を聞き、「そのことが大事だね」「そこがポイントだね」と応答することをおすすめします。なぜならば、子ども主体の保育を進めるためには、まず、職員主体の園文化を作ることが大事だからです。

その上で、私が考える「子どもの主体性を大切にする保育」についてお伝えします。
(今は、共主体という言葉が広がっています)
主体:自覚や意志に基づいて行動したり作用を他に及ぼしたりするもの。
素敵な言葉ですよね。このあり方を大切にして、子どもの思いを受け止めたり、それを実現するために援助したり、保育者も思いを出したりして、共に創り上げる生活や遊びを大切にする保育ではないか、と考えます。

あなた自身の考えを深めて、「私はこう思う」を文字化することをおすすめします。
子どもも保育者も運営者も、みんな「主体的に行動したい」ですね。

Q

 さまざまな年代の教員が勤務しているので、子ども主体の環境づくりに関する考えもさまざまです。全員が理解し、同じ方向で保育をする方法はどのようなものがありますか。

A


「これは!」と思う人の話を聞く。大豆生田先生が、とてもわかりやすくお話しされていますよね。
参考になる本をみんなで回覧する。『子どもの「やりたい!」が発揮される保育環境
~主体的・対話的で深い学びへと誘う~』(Gakken 保育 Books)など。

「同じ方向で」と願うときのコツは、方向を狭めないことです。いろいろなあり方を尊重するということを「自分たちのテーマ」に設定すること。時折、子どもの姿と重ねながら見直しをすることをおすすめします。

Q

製作や行事などの保育者が設定した活動が多すぎると、何に気づきどう思って表現をしたのか、他児の感性に出会う機会も少なくなるのではないかと思うことがあります。製作や行事など設定保育をどのような立ち位置に置くのがいいでしょうか。

A


設定保育=「保育者が主にプランを立てて子どもたちに投げかける活動を進めていく保育」においては、子どもたちの興味や関心とのつながりに配慮する。そして、子どもたちの「やりたい!気持ち」や「挑戦しようとする姿勢」を引き出しましょう。

子どもたちの心が動いて取り組みが始まると、時に保育者の思いを超えたものになります。それを「困った!」ではなく「やった!」と思い、自分のプランを微調整すると、楽しい経験になるでしょう。保育者が投げかけたものが子どもの中に着地し、豊かに展開するという素敵な展開となります。こうなると、とても楽しいのです。

常に「心情・意欲・態度」に眼差しを注ぐ。外側に見えている行動にとらわれると、体験が固くなってしまいます。そのために、保育者もまた、心躍らせて取り組むようにしましょう。

Q

お茶の水女子大学こども園では発表会や運動会、その他行事に関してはどのような取り組みをしているのか教えてください。

A


日々の保育の中に「経験」として取り込み、子どもたちの経験が唐突なものにならないようにしています。(例:体操やダンスなどを日頃から楽しみ、その中のお気に入りを運動会の中に入れるなど)
シンプルな内容にすることで、指示する必要がなくなり、その場でも楽しめるものになります。特に運動会は「親子で体を動かして遊ぶ」部分を大事にし、家庭での体験につながるようにしています。

発表会も運動会も、「そこに込めた子どもの思いや経験の重なり」に意味があるので「見どころ・取り組みの様子」などを事前(直前)にプリントなどで知らせています。
(親を理解者にする)

見逃し配信のご案内


保育実践をテーマにしたオンライン研修「こども主体の保育環境の考え方とは」は、見逃し配信でご視聴いただけます。

研修では、「子どもの主体性」が何を指しているのかの解説から、主体的に活動できる保育環境の設定、保育者の関わり方についてご紹介いただいています。

動画視聴する>https://webinar.codmon.com/vod/79

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コドモンカレッジについて


コドモンカレッジでは、現場で働く保育者の資質や専門性向上を目的とした保育研修を毎月定期開催しており、累計8,500名以上の方にご視聴いただいております。(2023年10月時点)

当日ご参加いただけない方でも、オンライン研修の見逃し配信や、いつでも好きな時間に学べる研修動画も公開しております。
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