質問で学ぶ防犯対策~不審者から子どもを守るには~

「防犯訓練をしているが、いざ不審者が侵入してきた時に対応できるか不安」、「不審者対策の強化をどのようにするか悩んでいる」などといった施設からの声にお応えし、警備会社への研修やセキュリティについての指導実績を数多くお持ちの株式会社リスク・マネージャー 代表取締役 西久保博信氏に、防犯対策について解説いただく研修を実施しました。(見逃し配信はこちら)
本ページでは、研修から抜粋した「防犯対策」についてと、研修参加者から西久保先生への質問とその回答をご覧いただけます。
Q&A
西久保先生に、保育者の方からの質問へご回答いただきました。
【不審者への対応ついて】
Q
園内に見知らぬ人(不審者と疑われる人)が侵入してきた際、保育者から声をかけてもよいのでしょうか。また、声をかける際注意する点があれば教えていただきたいです。
A
施設の警備業務の二大重点は「出入管理」と「巡回」です。委託を受けた警備会社がやっても、社員がやっても敷地権・管理権に基づく業務行為となります。
「出入管理」とは人の出入り、物品の出入り、車両の出入り、来訪者の受付案内を含め当該事業所の管理規定に基づき実施されます。従ってこのチェックを経ずに、また声かけを無視しての入場は「不法侵入」となります。
不法侵入者は放置する事なく、非常ベル、防犯ブザー等の鳴動で複数対応の原則に基づき110番通報を含め緊急対処します。不法侵入者には怯む事なく対処して下さい。
【保育者間での連携方法について】
Q
不審者が侵入してきた際、まずは保育者全員に伝わるように非常ベルや、防犯ブザーを鳴らすとの事でしたが、それらが園に設置されていない場合備えておけるものはありますでしょうか。
A
非常ベルは、ベルの設置個数、発信機(押しボタン、ペンダント型を含む)の個数、などの個数にもよりますが、配線で繋いだシステムで防犯ベルの単独システムはそんなに費用はかかりません。近くの電気工事屋さんでも対処出来ます。但し、機械警備会社に依頼すると、機械警備システムに防犯ベルの鳴動が組み込まれたシステムとなると月額の警備料金に反映され高額となります。
防犯ブザーは高額ではありませんので、ご準備をおすすめします。防犯ブザーは個体の防犯器具でかなりの音量で鳴り続けます。小学生がランドセルにぶら下げているのと同じものでピンをさしこんで鳴動を止めます。防犯ベルが鳴ったらどういう対応行動を取るか?という行動のプロセスを徹底することがポイントです。
見逃し配信のご案内
防犯対策をテーマにしたオンライン研修「質問で学ぶ防犯対策~不審者から子どもを守るには~」は、コドモンカレッジにて見逃し配信でご視聴いただけます。
研修では、下記の1~7の質問についてより詳しくご解説いただき、さらには110番・119番通報のポイントや使える道具なども教えていただきました。
1. 子どもの防犯対策に必要なポイント
前提として「施設に侵入してくる人は普通の人間ではない(義理人情が通じない)」と認識する、最悪の事態を考えるという2つの要素を踏まえたうえで、防犯対策に関する話し合いを行っていく必要があります。
2. 不審者が園内に侵入した場合の対処法
こちらも前提として子どもに判断力を期待してはいけません。「早く逃げなさい!」という指示だけでは、子どもはどこに逃げたらいいのか分からないので必ず保育者が先導するようにしましょう。
3. 不審者が侵入してきた際に、子どもと一緒にどのように逃げたらよいか避難方法や流れ
子どもに危害が加えられないように、まず最初に保育者で壁を作ります。そのあとはロープに捕まらせて、ともかく安全な方向に進んで外に出ましょう。
4. 散歩など園外で不審者に遭遇した際に、まずすべきこと
「いかのおすし」を改めて徹底教育すると同時に、常に注意喚起することが大切です。また、遊んでいるグループからはみ出している子どもに目を向け、子どもに接近してくる大人に注意することも大切です。
5. すぐにできる不審者対策法や準備しておいた方が良いもの
第一発見者は気が動転しているので、直接出来事を伝えるのは難しいものです。ですので、防犯ブザーを作動させるなど保育者全員が事態を確認できるような手段をもっておきましょう。
6. 不審者対策として、子どもと一緒にできる訓練
音声だけでなく視覚(ジェスチャー)で訴えることが大切です。事前にジェスチャーを作っておくとよいでしょう。

7. 地域とのかかわり方と、そのメリット
施設の中で緊急事態が発生した際は、近所の家に行き戸を叩いて助けを求めることが大切です。ですので、地域にも関心を持ってもらえるような防犯を考えていきましょう。
見逃し配信> 「質問で学ぶ防犯対策~不審者から子どもを守るには~」
今後もさまざまな研修を予定しております。
直近のライブ研修一覧はこちら>https://college.codmon.com/seminar/
コドモンカレッジについて
コドモンカレッジでは、現場で働く保育者の資質や専門性向上を目的とした保育研修を毎月定期開催しており、累計5,000名以上の方にご視聴いただいております。(2023年1月時点)
当日ご参加いただけない方でも、オンライン研修の見逃し配信や、いつでも好きな時間に学べる研修動画も公開しております。
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