ハラスメントの理解と適切な指導方法 ~風通しのよい、働きやすい職場環境にするために~


コドモンカレッジでは、安全管理・リスクマネジメントをテーマにオンライン研修「ハラスメントの理解と適切な指導方法~風通しのよい、働きやすい職場環境にするために~」を開催いたしました。

株式会社鳥飼コンサルティンググループ取締役、鳥飼 胆識先生にどんな言動や行動がハラスメントに該当するか、その予防と対応についてお話しいただきました。

本ページでは、研修参加者から挙がった鳥飼先生への質問とその回答をご覧いただけます。管理職の方はもちろん、指導するお立場、指導されるお立場の方もぜひご確認ください。

Q&A


鳥飼先生に、参加された方からの質問へご回答いただきました。

Q

今、問題になっている不適切保育について、職員会議など開かれた場でのディスカッションを実施しています。みんなで指摘し合い、話し合うことにハラスメントのリスクはあるでしょうか。また、ある場合はどのように実施の方法を変えればよいでしょうか。

A

子どもたちへのどのような接し方が不適切保育になるかなどを開かれた場でディスカッションし、議論することは、貴重な意見交換の場になる良い取り組みだと思います。
その場合にハラスメントになるリスクとして考えられることは、「特定の職員を集中攻撃してしまうこと」です。

例えば、職員Aの不適切保育について、全員でその行為を批判するという構図になるのは望ましくありません。職員Aに不適切保育を自覚してもらうことが目的であれば、職員Aの行為を匿名化してケーススタディの例題として議論する、その行為を否定するだけでなく、ではどんな保育なら適切か前向きに議論するなど一工夫をした方が良いでしょう。

Q

退職を申し出た職員に対して、辞めてほしくない気持ちもありつつ、引き止めすぎると相手の負担になってしまうのではないかと対応を迷っています。適切な言葉がけや退職が決まった後の接し方などのポイントを教えてください。

A

退職を希望する職員に対して、退職を認めない、拒否するということはできません。
ですが、退職を希望する職員の方に引継ぎや新しい先生を探す時間など必要な情報を伝えて、タイミングをずらしてほしい、という園としての希望を伝えることは可能です。

また、退職が決まった後の接し方ですが、退職するまでは園の先生ですので、通常通りに接することがポイントです。「もう退職するし関係ないよね」と仕事を与えない、必要な情報共有を怠る、無視するなどといった行為はしないよう個人の意識だけでなく園全体の意識として持つようにしましょう。

Q

部下から上司へのパワーハラスメントもありますか。定義を教えてください。

A

数は多くありませんが、ケースとしてはあります。
パワーハラスメントの要素の1つに、「優越的な関係を背景とした」言動であることがあげられます。この「優越的な関係」とは、上司から部下だけでなく、例えば下記のような場合があげられます。

①業務の知識や経験が豊富な部下がいて、その部下の協力をえなければ業務遂行ができない場合
②同僚・部下からの集団による行為で、抵抗・拒絶することが困難な場合

Q

ハラスメントを主張する職員がいる場合、誰がどのように対応すればよいでしょうか。

A

 園内に「ハラスメント相談窓口」を設置しており、「相談窓口担当者」を置いているようであれば、その相談窓口担当者がハラスメントを主張されている職員の方からお話を聴くことが望ましいです。
その後、話をヒアリングし、本人の希望も聞きながら事実確認をしていくという流れになります。

また、第三者に中立な立場でヒアリングしてもらうという手段もあります。その場合は、弁護士や社労士、保育コンサルタント等の専門家に客観的なヒアリングを行ってもらい、事実があったかどうかの確認を行います。

見逃し配信のご案内


安全管理・リスクマネジメントをテーマにしたオンライン研修「ハラスメントの理解と適切な指導方法~風通しのよい、働きやすい職場環境にするために~」は、見逃し配信でご視聴いただけます。

研修では具体的なハラスメントの分類、ハラスメントに該当し得る言動、行動について保育現場に即した事例の紹介も交えて解説されています。
理事長・園長だけではなく職員の指導にあたるリーダー層や中堅の職員、ゆくゆくは職員の指導にあたる若手の職員のみなさんにも見ていただきたい内容になっておりますので、園内研修の一環としてぜひご活用ください。
 
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今後もさまざまな研修を予定しております。
直近のライブ一覧はこちら>https://college.codmon.com/seminar/

コドモンカレッジについて


コドモンカレッジでは、現場で働く保育者の資質や専門性向上を目的とした保育研修を毎月定期開催しており、累計6,000名以上の方にご視聴いただいております。(2023年5月時点) 

当日ご参加いただけない方でも、オンライン研修の見逃し配信や、いつでも好きな時間に学べる研修動画も公開しております。
https://college.codmon.com/

    
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