【例文あり】保育士のメール対応のポイント

最近では保育士もメールでやりとりを行う場面が増えてきているのではないでしょうか。
メールは、日々の忙しい業務の空き時間で相手に連絡を入れることができます。
また電話対応と違い、事前に文面を考えて作成できたり、複数人に一括で送信できたりといったメリットも多いです。
一方で、文字だけで内容を伝えなくてはならないため、ときに誤解を招いてしまうこともあるでしょう。正しいメール対応を身につけて、上手に活用していく必要があります。
では、保育士はどのようなことに気をつけてメールを作成するとよいのでしょうか。
今回は保育士がメール対応における5つのポイントと、送信先に応じたメールの例文をご紹介していきます。
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メール対応の5つのポイント
一般的なビジネスマナーをもとに、保育士がメール対応する場合のポイントを紹介していきます。
宛名の書き方
まずは、メールの冒頭部分に記入する宛名の書き方です。
さまざまなパターンがありますが、ここでは保育士がよく使用する4つの宛名の書き方をご紹介いたします。
どのパターンで送る場合も、同じメールに複数名の名前を入れる場合には、役職が上から順になるように名前を入れましょう。
【法人外の個人に送る場合】
所属名(保育園名や会社名)+役職+氏名+慶弔(様など)
例)社会福祉法人○○ ✕✕保育園 主任 ○○様
株式会社○○ 採用ご担当者様
法人名も入れると丁寧な印象になります。
相手の氏名がわからないときにはご担当者様と入れるのもひとつの方法です。
同じ法人内の系列園などに送る場合は、法人名を省いても構わないでしょう。
【法人内の全体に送る場合】
○○各位
○○の皆様
例)○○保育園 ××担当者様各位
法人内のお知らせなど、全体にメールを送る際に使うことがあるかもしれません。
【保護者に送る場合】
例)保護者各位
○○組 ××様
○○組保護者の皆様
個人に送る場合と全体に送る場合といくつかのパターンがあります。
保育園によって保護者の方の呼び方(苗字に様・さん、○○ちゃんの保護者様など)が決まっている場合がありますので、メールを送る前に確認してみましょう。
ToとCCとBCCの使い方
メール入力画面には、宛先入力欄が3つあります。どれに入力しても相手にメールは届きますが、用途によって使い分けが必要です。ここではそれぞれの使い方と注意点をお伝えします。
園でメール配信のICTシステムを導入している場合はアドレス入力の必要がないので、知識として知っておく程度でよいでしょう。
To(宛先)
要件を伝えたい方のアドレスを入力します。
受信したメールの「To」が自分のアドレスだった場合、返信する必要があります。
「To」には複数のアドレスを入力可能です。
たとえば他園を含む法人内で、打ち合わせを3人で行っている場合など、担当者が複数いる場合は「To」に複数人のメールアドレスを入力しましょう。
注意点は、「To」には必ずアドレスを入力する必要があるということです。
「CC」「BCC」を使用したい場合でも、メインの宛先となる「To」には必ずメールアドレスを入力しましょう。空欄でメールを送信してしまうと、迷惑メールと判断され、相手にうまくメールが届かない可能性があります。
もし複数人に送るメールの宛先を隠したい場合は、「To」に自分のメールアドレスを入力して、送信しましょう。
CC
「CC」はメールの内容を共有したいときに使用します。
「To」でメールを送った方のほかに、そのメールの内容について知っておいてほしい方がいる場合に使用することが多いです。
たとえば、外部に送ったメールを園長など上司にも見ておいてほしいといった場合に使用します。
自分が「CC」でメールを受信した場合、返信の必要はありませんが内容はしっかり把握しておきましょう。
注意点は「CC」を利用すると「To」「CC」に入力したアドレスが、受信者全員に開示されてしまうということです。
「CC」内のメンバー同士に面識のない場合、知らない相手にもメールアドレスが開示されてしまうということも頭に入れておく必要があるでしょう。
一方で、メールの内容を誰と共有しているのか一目でわかるといったメリットにもなります。
BCC
「BCC」は「To」以外のアドレスを隠して送信したいときに使用します。
「To」で受信した方には自分のアドレスのみ「BCC」で受信した方には「To」と自分のアドレス2件のみが開示されます。
たとえば外部へのメールを園長や上司にも見てもらいたいとき、研修などで保育士へ一斉メールを送りたいときなどに使うことができるでしょう。
後者の場合、「To」の部分を自分や園のアドレスにすることで個人情報を保護することができます。
注意点は「CC」欄との入力間違いによるアドレス流出と、「BCC」で受信したメールへの返信です。
「BCC」に追加しようとしたアドレスを「CC」に入力してしまうと、送信した全員にアドレスが開示されてしまいます。また同様に、自分「BCC」で受信したメールにそのまま返信した場合も自分のアドレスが全員に開示されることになります。
「BCC」で受信したメールに返信する必要はありませんが、返信する際は新規メッセージでメールを作成しましょう。
件名の書き方
件名は、ひと目で内容がわかるようにすることが望ましいといえます。
ポイントは、簡潔に、そして具体的に記載することです。
「○○研修の打ち合わせ日程について」
「【持ち物のお知らせ】○月○日の親子遠足」
など、できるだけ短い文章で簡潔にまとめることで、メールの内容がわかりやすくなります。
要件が複数ある場合は、
「○○研修の日程のご相談/資料についての質問事項」
「○月○日の研修資料について/ほか2件について」
など、できるだけ件名でわかるようにしましょう。
また、重要なメールや至急確認してもらいたいメールの件名には【重要】【至急】といれることがありますが、多用はNGです。
何度も【至急】とされたメールが届くと、急かされていると感じるばかりか信頼を失いかねません。
ここぞという必要性のある場合にのみ使用するようにしましょう。
挨拶の書き方
メールの冒頭に記す挨拶と自己紹介についてです。
本文の書き出しの流れは、「宛名→挨拶と自己紹介」となります。
基本的には、保育園関係者に送る場合は「お疲れ様です。」、保育園外の方に送る場合は「お世話になります。」と入力するといいでしょう。
たとえば外部の方へのメールの場合、以下のようになります。
例)
○○私立○○小学校 ○○様
お世話になっております
○○保育園 保育士の〇○○と申します。
また、本文の最後には「何卒よろしくお願いいたします。」など、結びの挨拶を記すことが一般的です。
本文の書き方
メール本文は、わかりやすく簡潔な文章を意識しましょう。文を組み立てるときの基本である5W1Hを意識してみてください。
5W1Hとは、「Who(だれが)、When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)」です。
流れはこの順でなくても構いません。5W1Hが入っていることで情報が過不足なくまとまり、相手も読みやすくなります。
また、改行や箇条書きを活用してより情報が整理されたメールにすることも可能です。
たとえば、以下の2つのような例があります。
一文が長くなってしまうと読み返すときにも大変ですので、パッと見て情報が拾えるような文面づくりを心がけるとよいかもしれません。
例①)
【○○についてお知らせ】
日時:○月○日(木)
時間:○時~
持ち物:○○、○○、○○
例②)
次の3つについてお知らせいたします。
・×××の件
・×○×の件
・××○の件
【場面別】メール対応の例文
ここからは実際のメール対応で参考にできる例文をご紹介いたします。
例文①保護者に運動会の案内を送る場合
宛先:「To」には自園のアドレスを使用、保護者のアドレスは必ず「BCC」へ
件名:【運動会のご案内】
本文:
○○保育園 保護者各位
夏の暑さが和らぎ、季節の移り変わりを感じる頃となりました。
平素より、本園の活動にご理解とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。
さて、今年は日本中を熱く盛り上げた『オリンピック』をテーマに下記日程に運動会を開催致します。
日時 :令和3年10月9日(土) 9:00~午前中終了予定 ※雨天延期
延期の場合、10月10日(日)に行います。
場所 :○○保育園 園庭
【連絡事項】
・コロナウィルスの感染予防として、参観人数は1家庭2名まで(乳幼児は除く)でお願い致します。
・マスクの着用をお願い致します。
・各クラスの集合時間、服装、持ち物等につきましては、後日、担任より詳細をお知らせ致します。
・プログラムは運動会1週間前に配布予定です。
不明点等ございましたら、担任までお知らせください。
よろしくお願い致します。
例文②老人ホームへ依頼メールを送る場合
宛先:Toを使用
件名:敬老の日のイベントのご依頼につきまして
本文:
株式会社△△ 老人ホーム○○(施設名) ご担当者様
お世話になっております。
○○保育園 ××組担任の□□と申します。
お陰様で恒例となっております、敬老の日のイベントにつきまして、ご依頼したくメールを送らせて頂きました。
本年も、昨年と同様、敬老の日のイベントの一環として、老人ホーム○○様にお邪魔させて頂くことは可能でしょうか。下記、詳細となります。
候補日を何日か挙げさせて頂きましたが、他にご都合の良い日がございましたら、お知らせ頂けますと幸いです。
- 候補日 9月10日(金)、13日(月)、15日(水)、16日(木)、17日(金)
- 訪問人数 5歳児クラス24名+引率保育士3名
- 訪問時間 9:30~の午前中
- プログラム ふれあい遊び、歌、子ども達からのプレゼント
※プログラムの詳細は後日、お送り致します。
お忙しいなか恐縮ですが、ご検討の程よろしくお願い致します。
メール対応の基本を理解し、上手に活用していきましょう
今回は、保育士が覚えておきたいメール対応の基本について紹介しました。
ICT化がすすみ、メッセージアプリやメールシステムを利用する保育園が増えている一方で、対外的な連絡手段はビジネスメールを使うことが多いでしょう。
慣れるまではむずかしく感じてしまうこともあるかと思いますが、基本の構成や定型文を覚えてしまえば簡単になります。
手紙を作成して配布する手間や、決まった時間に電話対応することを考えると、メール対応は効率がよいといえるでしょう。
まずはメール対応の基本を頭に入れて、スムーズに対応ができるようになるといいですね!
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