【新人研修】保育士の心構え

 
新人研修を実施するにあたり、内容に悩む保育士の方も多いのではないでしょうか。
社会人としてのマナー、業務内容や園での決まりごとのほか、「保育士の心構え」も大切な新人研修の項目のひとつです。
ひとりでも多くの保育士が「保育士の心構え」を知り、実践していくことで子どもの最善の利益を守ることにつながります。
 
今回は、保育園の役割や保育士の心構えについて紹介いたします。
保育士の心構えについて、新人研修で伝える際の参考にしてください。
 
 

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保育園の役割

 
保育士の心構えについて学ぶ場合、まずは保育園の役割を知ることから始めることをおすすめします。
保育所保育指針の第1章に保育所の役割が明記されているので、保育所保育指針の読み合わせを行うとわかりやすいでしょう。
 
保育所保育指針を簡単にまとめると次のようになります。
 
【保育園の目的】
子どもの健全な心身の発達を図ること
 
【保育園の役割】
・家庭との連携をもとに、子どもの最善の利益を考慮した保育を行う
・専門性の向上に努めながら、保育及び子育て家庭に対する支援を行う
 
上記のような保育園の役割を果たすために必要なのが「保育士の心構え」です。
保育士の心構えについて、具体的に解説していきます。
 
 

保育士の心構え

 
「保育士の心構え」は、保育士として働くうえで大切にしたい考え方です。
大きくわけて以下の3つのポイントを押さえておくとよいでしょう。
 
・子どものことを第一に考える
・保護者のよき理解者になる
・保育のスキルを伸ばす努力をする

ひとつずつ確認していきましょう。
 
 

【心構え➀】子どものことを第一に考える

 
保育士は常に子どものことを第一に考え、子どもの最善の利益を守る役割を担っています。
安全に配慮する、一人ひとりの様子に目を配る、発達段階を意識して保育を実践する……などさまざまな側面から子どものことを考える必要があるでしょう。
具体的にいくつかの項目にわけて解説いたします。
新人研修では、まず新人保育士に「保育士が意識すべきこと」を問いかけ、そのあとにポイントを伝えることで考えが定着しやすくなりますよ。
 
 

一人ひとりの子どもに寄り添う

 
幼児クラスであれば20名、30名という子どもの担任になる保育士は、子ども一人ひとりの発達発育状況、家庭環境を把握して適切な保育を実施していく必要があります。
一人ひとりの言動や心理に寄り添い、子どもが自己を発揮しやすいような保育環境を目指すことが望ましいでしょう。
 
 

常に周囲に目を配る

 
保育士にとって、もっとも重要な仕事は「子どもの命を守る」ことです。
当たり前のようですが、保育の根底として忘れてはいけないポイントといえます。
成長途中の子どもは自分の安全を確保する力が未発達で、目の前のできごとに夢中になると視野がせまくなってしまいます。
少し目を離しただけでも重大な事故につながる危険性があるため、保育士は広い視野で子どもを見守る必要があるといえます。
 
また、健康面においても小さな気づきが重要です。日々の健康チェック、遊びや活動中の子どもの様子にも目を配るように心がけましょう。
 
 

身だしなみを整える

 
社会人としてのマナーでも必須となりますが、保育士としても重要性の高い項目です。
保育士は子どもとスキンシップをはかることが多いため、金具やボタン、ひもといった物理的な危険を避けることを目的とした配慮が必要になります。
 
新人研修では、爪を短く切る、装飾品は避ける、などの注意点から具体的に伝えましょう。
また、身だしなみを整えることは保護者や外部の方からの信頼を得ることにもつながりますので、保育士の心構えとして覚えておいてくださいね。
 
 

 
 

【心構え②】保護者のよき理解者となる

 
核家族化や共働き家庭の増加により、保育園・保育士による子育て支援の需要が高まっています。
家庭環境や保護者の心身の状況を考慮し、寄り添い、ともに子育てを担っていくという意識を持って信頼関係を築いていきましょう。
保護者のよき相談相手になるために、保育士が求められているポイントは以下の2つです。
 
 

保護者と一緒に子育てする姿勢をもつ

 
子育てについて頼る先がなかったり、子どもの成長発達に不安を感じたりしている保護者にとって、保育園は非常に大きな存在になり得ます。
とくに子どもは大人のように仕事とプライベートの切り替えがないため、保育園・家庭のどちらかで発生した感情は双方に影響します。
気になる姿があった場合に、家庭での生活を責めるのではなく、どのように解決していくのか、子どもにとってなにが最善かを建設的に会話できる関係を作ることが大切です。
子どもの些細な様子に気付いてもらえる、家庭の様子を気にかけてもらえるといった感情の積み重ねが、保護者にとって「一緒に子育てをしてもらえている」という安心感につながるでしょう。
 
 

コミュニケーションの回数を増やし、保護者と信頼関係をつくる

 
人は相手に心を開いてはじめて「相談する」という行動をとります。
保育士が保護者の相談相手になるためには、保護者が保育士を信頼し、相談したいと思えるような関係性を築く必要があります。
保護者と信頼関係を築くためには、「コミュニケーションを重ねる」ことが大切です。できるだけ子どもの前向きな姿を中心に伝えるように心がけることで、こちらの話を受け入れてもらう土台ができていきます。
保育士のほうから心を開き、積極的に保護者に話しかけていくことで、少しずつ子どもに関する相談をしてくれるようになるでしょう。
 
 

【心構え③】保育のスキルを伸ばす努力をする

 
新人保育士として働き始めた時点で万全な保育を実施できる人はまずいないでしょう。子どもや保護者とのかかわり、環境づくり、新しい手遊びや歌の知識、効率のよい製作方法など、保育士は日々学びの連続です。
また、時代の変化にともなう新しい制度や法律、社会情勢への理解も必要になってきます。
保育所保育指針では「職員の資質向上」について改定され、保育士が専門家として知識や技術をアップデートしていくことが求められているのです。
 
学ぶ方法はさまざまありますが、今回は以下の2つについて解説いたします。
 
 

保育士研修に参加する

 
保育士研修には、遊びや製作、歌などの保育技術を学ぶ研修、障がい児保育や保護者対応などの専門的な知識を学ぶ研修、他園の保育内容について見学・講演を聞く研修など、多くの種類があります。
研修に参加し新たな知見を得ることにより、普段の保育を客観的に見直したり、仕事へのモチベーションを高めたりすることができるでしょう。
 
新人研修では、保育士研修を受けるにあたっての心構えとして、この研修でなにを吸収したいのか、どのように保育に反映するかまで考えることを伝えるとよいでしょう。目的を明確にすることで、参加意欲が高まり、研修で得た知識も忘れにくくなりますよ。
 
 

 
 

先輩保育士から学ぶ

 
保育士は経験によって得られる学びが大きい職業です。一緒に働いている先輩保育士からさまざまなことを学びましょう。
先輩保育士の動きをよく観察し、「どうしてこういう動きをしたんだろう」「どういう意図があったんだろう」と疑問に感じたら、時間を見つけ先輩保育士に質問をしましょう。
新人保育士の新鮮な視点は、先輩保育士にとっても保育を振り返る機会になります。
子どもへの声かけ、制作の準備や行事に向けた保育の計画性など、よいと思った部分はどんどん自分の保育に取り入れていきましょう。
互いに学びあう気持ちで、保育の質を向上できるといいですね。
 
 

まとめ

 
保育士は専門的知識のもとに保護者の子育てを支えています。そして保護者と連携を図りながら子どもの最善の利益を守るために日々働いています。
保育の専門家として、常に保育士の心構えを意識して保育にのぞみましょう。これは新人保育士にかぎらず、ベテラン保育士にもいえることですね。
 
新人研修では、新人保育士が「自分も保育の専門家になったんだ」と意識がもてるように進められるといいでしょう。そして大切な心構えがしっかり新人保育士に根づいているか、日々の保育のなかで確認していきましょう。
 
 

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見逃し配信>「新卒保育士に求められるマナーとは?~接遇マナー5原則を理解しよう~
見逃し配信>「信頼される保育者になるためには~保護者とのコミュニケーション~
 
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