園内研修とは?主な実施方法とテーマ例を紹介


「もっといい保育がしたい」
「子どもがいきいきと遊べる環境を作りたい」

今の保育環境をよりよくしたいと願いつつも、忙しい毎日に追われて、頭のなかだけで考えるだけになっていませんか?
保育方法をアップデートするためには、新しい情報を収集して職員間で共有し、そして自園で実践するためにはどうしたらよいか、意見を出し合う必要があります。
保育士が活発な意見交換を行う場のひとつにあげられるのが、園内研修です。

この記事では、職員のチーム力があがる園内研修の実施方法と、実際に研修で使えるテーマ例をご紹介します。
充実した園内研修を重ね、保育士一人ひとりが力を発揮できる園作りを行っていきましょう。
 

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園内研修とは?

 
保育園における園内研修とは、保育の質を向上させるために、園内で実施する研修のことです。
保育ニーズの多様化をはじめ、政府の子育て支援政策、発達障害についての認識など、子どもをとりまく環境は年々変化しています。
園内研修の目的は、今現場で起きている問題について、意見を出し合い改善方法を模索すること、そして保育士の知識をアップデートし、目の前の子どもによりよい保育を提供できるようにすることです。ひいては「子どもの最善の利益」を保障することにつながります。
 
また、職員間での情報共有も園内研修の大切なポイントです。
個人の技量や知識をどれほど高めても、園全体の保育の質を向上することはできません。
同じ保育園に集まったもの同士、園内研修でともに学び、意見を出し合い、保育の質の向上をめざしていきましょう。
 

園内研修の主な実施方法とメリット

 
園内研修といっても、なにを行えばよいかわからない場合もあるでしょう。
ここでは園内研修の3つの実施方法について紹介します。
 
・ディスカッション
・公開保育
・外部講師を招く
 
それぞれの主な実施方法について、具体的な内容とメリットをみていきましょう。
 

ディスカッション

 
まずは「ディスカッション」という園内研修の実施方法です。
ディスカッションとは、直訳すると討論・議論するという意味があります。
討論・議論というと、意見をぶつけ合う印象があるかもしれませんが、保育の現場でいうディスカッションとは、「意見をだしあう」ということです。
 

実施方法

 
ディスカッションを実施するには、たとえば以下のような方法があります。
 
①定期的に行うクラス会議のなかで、ディスカッションの時間を設け、子どもの姿や保育の悩みについて話し合う。
②園全体の会議のなかで、各クラスの子どもの様子や保護者対応、支援の必要な子どもについての情報を共有し、改善策や解決策を話し合う。


メリット


子どもの様子やエピソードを伝え、意見をもらうことで、自分にはなかった新たな視点や問題解決方法が得られるという点が大きなメリットといえるでしょう。
また若手の保育士も意見をだす機会を得ることで、自分の存在意義を見いだせるだけでなく、ベテラン保育士の意識改善にもつながります。
ディスカッションの時間は短くてもかまいません。些細な内容でもかまいません。積極的に意見をだしあう機会を作ることで、保育士間の連携強化をはかることができるでしょう。
 

外部講師を招く

 
実践的な保育の手法や、発達支援について学ぶために、外部講師を招くことも園内研修の方法のひとつです。
具体的に学びたいテーマがある場合、職場に専門の講師を招いて話を聞くことができます。
 

実施方法

 
園内研修で外部講師を招く際の流れは以下のとおりです。
 
~事前準備~
1)学びのテーマを決める
2)電話やメールで講師に打診
3)日時・場所・内容を決めて講師に依頼
4)講師の交通手段・機材・資料の確認
5)撮影・録音・録画の許可をとる
 
~当日~
6)講演
7)質疑応答
8)講師への謝礼ほか、事務手続き
 
外部の方を招くため、さまざまな事前準備があります。
講師のスケジュールをおさえるためにも、早めに予定を組む必要があるでしょう。
 

メリット


外部講師を招くことで、より専門的な学びを得ることができます。新しい遊びやかかわりの手法を得ることで、保育のマンネリ化を防ぐこともできるでしょう。
研修会場への移動時間がないことや、より講師に近い立場で話を聞くことにより研修内容への学びが深まることもメリットといえます。
 
また、専門的な知識を聞いただけで満足してはいけません。学んだ内容を保育にどう活かすかが大切です。
講演のあとにディスカッションの場を設けるなどして、講演内容を明日からの保育にどう活かしていくのか、意見を出し合うといいでしょう。
 

公開保育

 
公開保育とは、保育の様子を公開し、他園の保育士や有識者に見学にきてもらうことです。
普段実施している保育について、外部からの意見や気づきを得る機会となります。
 

実施方法

 
公開保育の実施方法はさまざまです。複数園、系列園で合同の公開保育を行う場合はこの限りではありませんが、おおまかな流れの参考にしてください。
 
~事前準備~
1)日時や場所、参加園について、他園んや値域の小学校などとやりとりを重ねる
2)公開保育の内容について園内で協議する
3)保護者への通達、同意を得る
4)見学者の駐車場、見学中の名札、安全対策の実施についてなど細かな点をつめていく
5)詳細について記載された案内の配布
 
~当日~
6)受付係が見学者の受付、確認、名札の配布などを行う
7)駐車場がある場合は誘導係が案内
8)園内の環境や保育を見てもらう
9)意見交換のため見学の後にディスカッションの場を設ける


メリット


公開保育を行うことで、第三者から保育について指摘を受けるため、不安に感じる部分もでてくるでしょう。しかしそれこそが公開保育を実施するメリットです。
客観的な視点からよかった点・疑問に思う点をだしてもらうことで、新たな気づきを得ることができます。
質疑応答の場では保育内容について説明することで、自園の保育を頭のなかで整理する機会を得られます。
また、他園の公開保育を見学することで得られる学びも大きく、お互いに専門性の向上につながる研修方法といえるでしょう。
 

テーマ例

 
ここからは園内研修を実施するにあたり、もっとも重要なポイントとなるテーマについて紹介します。

園内研修を行う際、1番最初に決めるのは「テーマ」です。
これを学びたいというテーマが先にあり、園内研修の実施につながるというパターンもあるでしょう。
以下に状況に応じたテーマ例を記載しますので参考にしてください。
 

年度はじめにおすすめのテーマ例

 
新人保育士がいる場合や、ベテラン保育士も自身を振り返るためにおすすめの園内研修テーマ例です。
 
・自己紹介をして親睦を深めよう
・子どものいいところを出し合おう
・保育指針とわたし達の保育をひもづけよう
・マインドマップを使って、保育内容を考えよう
・お互いの保育を見学し意見を出し合おう
 

 

より専門性を高めるためのテーマ例

 保育の質を高めるということを目的に、さまざまな分野を取り入れた研修テーマ例です。外部講師を招いて行うことでより専門性を高められるでしょう。
 
・支援が必要な子どもの情報共有
・発達支援についての実践例を学ぶ
・保育の悩みについてのディスカッション
・実施してよかった保育とその方法や記録公開
・保育における楽器指導のポイントや奏法を学ぶ
 

園内研修を進める際のポイント


テーマも決めて、実際に園内研修を進める段階で意識したいことがあります。
それは「楽しい雰囲気」です。
 
はじめにも述べたように、保育士が意見を出し合いコミュニケーションをはかることで保育の質は向上していきます。
保育士一人ひとりが安心して自分の意見を言うためには、「楽しい雰囲気」が不可欠です。
 
楽しくない、受け入れてもらえない、聞いてもらえない環境では、誰も発言などしたくないですよね。
楽しい雰囲気」は話す人、聞く人、全員で作りあげていくものです。
 
園内研修に参加する人が意識すべき3つのポイントをみていきましょう。
 

 

笑顔


まず最初に大切なポイントは「笑顔」です。
研修となると、うつむいて暗い表情になってしまいがちです。
 
話をするときに、聞いている人が無表情だったり、怖い顔だったりしたらどうですか?
話をする気も失せてしまいますよね。話す人はもちろん、聞く人も笑顔を心がけましょう。
口角を少しあげるだけで表情は優しくなります。
 

アイコンタクト

 
次に大切なポイントは「アイコンタクト」です。
聞いている人が笑顔であっても、話者である自分を見ていなければ、なにに対してほほえんでいるのかわかりません。
「あなたの話を聞いているよ」ということが伝わるようなアイコンタクトを送りましょう。
人によっては、じっと見つめられると話しづらい場合もあります。話者の鼻のあたりを見るなど、少し目線をずらすようにするとよいでしょう。
 

うなずき

 
笑顔、アイコンタクトに続く大切なポイントは「うなずき」です。
話者は、聞き手がうなずくことで「わたしの話を受けとめてもらえている」と感じるものです。
うなずきがなければ「もしかしたら反対意見があるのかもしれない」「わたしは間違ったことを言っているのかもしれない」と不安になります。
 
話者が安心して話を進めるためには、うなずきが必要なのです。
 

さいごに


「笑顔」「アイコンタクト」「うなずき」を意識した園内研修を重ねていくことで、意見を自由に出し合えるチームへと育っていきます。
保育のプロとして専門性とチーム力を高め、子どもの最前の利益を追求していきたいですね。
 
※記事内の「保育園」は、認定こども園や幼稚園なども含みます
 

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